[Milok] デザイナー直撃インタビュー

2005年より、東京で始動し15周年を迎える
気鋭のドメスティックブランド、[Milok](ミロック)。

独創的なデザイン、実用性、機能美を追求した
素材選び、パターンワークに定評のある彼らの
クリエーションについて、

現代表であり、デザインチームのトップを務める
古口悠氏に
Amanojak.小山がインタビュー取材してまいりました!

ご覧くださいませ。

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小山:今日はお忙しい中、
インタビュー取材に快諾いただきまして誠にありがとうございます。
早速ですが、初めていきたいと思います!

古口:よろしくお願いします。

小山:まずはブランド設立15周年を迎える[Milok]。
日本だけでもこれだけ多くのブランドがある中で、
15年も続けられているのは本当に尊敬です。
振り返ってみてどうですか?

古口:15年やってきて、当然山あり谷ありでしたね。。。
その中でもブランドとして、大きな分岐点になったのは、
やはり、約7年前のフラッグシップストアのオープンですよね。

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<渋谷区神南に構えるフラッグシップストア”GOOD LOSER”>

実際に、ブランドの顧客、
ファンが来訪してくださることによって、
血の通ったやり取りができ、
要求されていることや、
期待に沿えるようになってきたなと思います。

ミロックとしてのモノづくりである、
トラッドを崩してリアルクローズを体現するという概念から
大きく外れることなく、

ファンの期待に応えるべく、
モノづくりの密度が高まっていったのを肌で感じます。

小山:なるほどですね。
ミロックのモノづくりは、実用的だし、
機能を持ったものが多いのは、
着る人を想ってのクリエーションなわけですね。

古口:そうですね。お客様はもちろん、
バイヤーさんや自分たちの周囲の人たちの反応も含め、
ブラッシュアップしながら進んでいると思います。

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小山:大事なことですよね。
これからも楽しみです。
来たる19AWも含め、今後の展望はどのようにお考えですか?

古口:長く一つのことに集中していると、視野が狭くなってしまうことがあると思うんです。
19AWシーズンのモノづくりは、意識的にインスピレーションを受けれる場所へいつもより多く足を運んでいた気がします。

そんな中で、行きついたのは、
やはり[Milok]としての原点である
トラッドというところを改めて大事にしたいなと。

19AWのテーマは、STEAM,STEAMということで、
日本での日常にある空気感、熱気、蒸気と、
イギリスの蒸気機関車やぬるさみたいなものをカンマでつなぎ、
ブリッジさせているようなテーマにしています、

小山:イギリスといえば、トラディショナルなイメージやブリトラのイメージは強いですね、
確かに、空気感はありながらも重厚なムードのアイテムが多かったです。

古口:そうですね。改めてトラッドを意識した中で、
それを崩してリアルなクロージングに落とし込むイメージで作りあげました。

リアルなクロージングの要素として、
様々な要素、ギミックのものがあるけれど、
原点として、トラッドというのが、根幹にあるコレクションになっています。

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小山:なるほど。ミロックとしてのアイデンティティに回帰したわけですね!
そこに先ほどお話しされていた、密度の高まったハイレベルなモノづくりが乗っかってくると?

古口:そうですね!先日の展示会では、創成期からの顧客様の反応もすごくよく、
ブランドをあまり知らない、新規の方にも評判が良くて。
結果的に、取引先の数や、オーダー数も上がる形となっていて、ありがたいです。

小山:それはうれしいですね!

古口:そう。まあ数字的な部分もそうだけど、
[Milok]としての表現に共感していただける方が増えているのが、すごくうれしいですよね。

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小山:なるほどですね。
話は、すこし変わりますが、
昨年、[Milok]のフラッグシップストアを
Copano86、MAKERSとの3社でのフラッグシップストアへ、業態を変更されましたが、
そのあたりはどういった思惑があるのでしょうか?

古口:もちろん、大前提として、
僕がCopano86とMAKERSというブランドが
好きであるからというところはありますが、

以前から、両ブランドはショップ内でセレクトし、置かせていただいていたので、
[Milok]の直営店で、Copano86とMAKERSが置かれているという図式は、
顧客様の中ではしっかりと認知がされているなという感じはしていて、
[Milok]と平等に評価いただいている、愛されている実感があったんですよね。

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[Milok]というブランドをきっかけに集まっていただいた顧客様から
[Milok]と同様に愛されている両ブランドなのだから、
僕としてもセレクトしているという立場ではなく、
平等な立ち位置として、
3ブランドのフラッグシップストアにしようということを提案しました。

小山:確かに、すごく理にかなっているというか、
納得です。

古口:そうした方が、
ショップでの販売も同じ熱量で行えるし、
両ブランドもこの場所を拠点として全力を注いでくれる。

全てのブランドが
もうワンランク上の表現を行っていくために
ということを目指してでしたね。

表現の場として、
直営店を平等に使用することによって、
三位一体となって、
盛り上げていく体制を作りたかったんです。

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小山:そういうことなんですね。
確かにPRという面で考えても、
単にセレクトしているというだけよりかは
圧倒的に発信力は高まりそうですね。

古口:ショップスタッフ一人採用するにも、3社での相談によって決定がされていて、
それぞれの表現を尊重できるようにしています。

小山:それはなかなか気合入ってますね!(笑)

古口:3社合同ということで、
それぞれのブランドが他のブランドを
客観視できているバランスが僕らにとって心地良くて。
その結果、平等な発信ができているなと。

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小山:ありがとうございます。
話は、戻りまして、[Milok]といえば、やはり生地選び、ディテールワークなどをとっても、
一つのアイテムが完成するまでに、かなりのこだわりが
ちりばめられているように感じるのですが、
制作の上で大事にしている部分はどんなところでしょうか?

古口:かっこつけるわけじゃないけれど、
第一として、僕が一人でやっている感覚はなくて、
それぞれのセクションに、頼れる人物がいるのが大きいですね。
工場で見てもそうだし、生産管理の人、生地屋さんの
高いパフォーマンスのおかげで形にできていると思います。

自分がやりたいことを形にしようとしたときに、
パタンナー的にはどうだろう、工場的にはどうだろう。
様々な目線を入れながらメスを入れていく。
それぞれのセクションがブランドをよく理解してくれていて、
作りあげられている気がします。

小山:それはやはりブランドと生産側の長い年月の関係値が
成せる業なんでしょうね。
ワンマンでなく、あくまでもチームで作りあげる方が、
ミロックとしてのクリエーションが高まるというか。

古口:そうです。
先日もよく衣装などでサポートさせていただいている
アーティストさんと飲んでいて、
似たような話になったのを覚えています。

洋服のコレクションは、ある種、
音楽のアルバムと似たところがあって、
パッケージや打ち出し、数量(曲数)、
バリエーションなどはデザイナー(アーティスト)が考えながらも、
一着一着(一曲一曲)はみんなで作っているイメージがすごくあるんです。

その最終的な、統轄した責任を自分が持つものだと思っています。

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小山:例えも含め、すごくわかりやすい(笑)
僕たちも含め、消費者はなかなか知り得ない深い部分をお聞きできてよかったです。

古口:[Milok]に関わってくれている方が全員、
全力で当たってくれているからこそ、
展示会をやってからは
次の展示会まで反省点がすごく出てきます。
次回のエネルギーに繋がっている。
そういうこともすごく良いことかなとも思います。

小山:しっかり軸や個性を持ったブランドは、
シーズンとシーズンの間を
ブリッジさせていたりする印象もあります。
反省して、次シーズンに反映させていくというのは、
確かに建設的だし、
[Milok]というブランドに合っているなと感じます。

古口:19AWシーズンは原点回帰することで、
向き合いやすかったのかもしれない。
新たに見えてきた部分は多いし、
ワクワクしている部分も大きいですね。

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小山:そうですね。
19AWシーズンで言えば、
確かにトラッドかつ、テクニカルで機能的な
原点回帰を感じさせてくれるものが多かった印象ですが、
その反面、あまりイメージない、
アスレティックでカジュアルなムードの
アイテムも見受けられました。
そのあたりの反応はどうだったんでしょうか?

古口:デニム、スウェット、
チノパンあたりのラインナップですよね。
僕自身もどうなんだろう
という部分はありましたが、
自信自体はあったので、
最悪、直営店のみでの展開でも
いいかなくらいのつもりで(笑)

オーセンティックでベーシックなアイテムだからこそ、
モノづくりの高さをダイレクトに実感してもらえるかなとおもいまして。
結果的には、思ってた以上に反応が良くて安心しました。

縫製の技術に関しては、昔から抜群に良かったのですが、
今回、生地とシルエットに関しては、
試行錯誤を繰り返しながら形にしました。
モノによっては4thサンプルまでいったり(笑)

小山:4thサンプルですか。。。聞いたことない(笑)
確かに、今回ベーシックなアイテムを見れたことによって、
改めて高い水準のモノづくりを感じた気がします、

古口:シンプルなアイテムも
それはそれですごく難しいんですよね。
足し算引き算、小さな修正で印象が変わる分、作りづらい。
でもその分、そこが評価いただけたのは嬉しいですね!

小山:いっそシンプルなアイテムだけでPOP-UPとかやっても面白そうでした!

古口:僕もホントそうだと思います!
伝わる人にはしっかり伝わると思ってます。

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小山:そんなところを踏まえて、19AWシーズンの
これ、めっちゃよくできたとか、
おすすめとかがあればお聞きしたいです。

古口:なんだろうなー!
一つ一つにそれぞれ感情があって(笑)

小山:個人的には、MA-1がすごく好きでした!
ミリタリーでもスポーツでもないような、
トラッドなミロックらしい表現のアイテムに感じました。

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古口:あれは確かにそうですね!
あれも元々はヴィンテージのMA-1を解体して、
紙で引いて、そこから少しずつ修正して、また修正し直して。。。

単純にMA-1は今着たいものを作ろうと思ってました。
今着たいものがあまりなくて。
あーでもなく、こーでもなく、
そういう意味で[Milok]にしかない
ムード感が出せたかなと思います。
満足してますし、反応も良かったですね!

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<古口氏渾身の新型シャツ、生地はTHOMAS MAISON>

古口:それでも個人的には、一番バツっとはまったのは、シャツですかね!

小山:あのトーマスメイソンのやつですね?

古口:そうそう!
シャツって、結構シンプルなものだと展示会でスルーされがちなんだけどね。
あのシルエット、すごいこだわっていて。

小山:確かに、
[Milok]のシャツって、ドレスならドレスだし、
デザインものならデザインって、
わりとしっかりシルエットバランスも
強調されていたイメージだけど、
あれは良い意味で、
今の時代のスタンダードというように感じました。

古口:ダボっとしているような印象も
無くはないんだけど、
意外とインナーにもなるみたいな、
万能だけど、他にない。
ありそうでないバランスにはできたかなと!

定番として、すこし安めの生地を使って、
と思ったんだけど、やっているうちに、
生地も良いものにしないと納得いかなくなっちゃって(笑)
結局、トーマスメイソンで作っちゃいました。

小山:なるほど(笑)。
それでも安いなと思いましたけどね!
\26,000-とかでしたよね?

古口:シャツが一番原価比率悪いですね(笑)
シンプル系のアイテムは、結構全体的に原価が。。。

小山:納得です(笑)。
シンプルな分、
あからさまには定価を高くしづらいですもんね。

古口:そうそう。
そういう点でもシビアに戦った分、
グッときてるのは、
シャツ、スウェット、チノパンなどの
ベーシックアイテムですね。

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<手にとっただけで伝わる
ハイクオリティな生地が魅力のクルーネック>

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<ベーシックながら打ち込みの良いチノパンツ>

小山:気持ちがはいってるんですね。
そういう気持ちが聞けてよかったです!

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小山:最後に消費者やこのブログをご覧いただいている方に
伝えたいことなどがあれば、
お話しいただけたらと思います。

古口:今、日本にはたくさんのブランドがあって。
ファストファッションやハイブランド、
インフルエンサーがプロデュースするブランド、
ショップオリジナルなど。

それらの多くは、
自分たちと違うセクションのモノだと
思っています。

それぞれがそれぞれで魅力的ではあると思うけど、

[Milok]というブランドは、
ルックやカタログで見て、
理解しきれる服ではないと思っています。

実際に着てみてほしい。
そんな気持ちがまず大きいですね。

着た時の生地感や着心地、シルエット。
あとは、買った後にしか伝わらないとは思うんですが、
高級素材なんだけど、基本的に洗えたりすることとかね。

そういうところまで考えながら
作っているということが伝わると嬉しいです。
なので、やはり体感してほしいですね。

安いプライスのブランドではないから、
とりあえずなにか買って体感してほしい!
とは言えないけれど
まずはGOOD LOSER(直営店)やAmanojak.さんなどで
試着してみたり、いろいろ聞いてほしいですね!

今回の取材を通じて、
より気張らずに[Milok]を感じていただけたら幸いです。

小山:なんかいい感じに閉められそうなコメントありがとうございます!
今回初めて、こういったインタビュー形式というか、
対話形式で取材をさせていただいて、
僕らも理解しきれていない部分も含め、
いいお話が聞けたなと思いました。

僕たちも[Milok]の歩みと
共に進んでいけるよう取り組んでいけたらと改めて思いました。

本日はどうもありがとうございました。

古口:こちらこそありがとうございました。



いかがでしたでしょうか?(^^)
かなり超大作にはなりましたが、
すごく良いお話がたくさん聞けて、
改めてインタビューしてよかったなーと思いました(^^)

インタビュー記事にありがちな、
小山(以下K)みたいなのが、

小山、古口のKKコンビゆえにできず、
少々見づらい感じになっているのが、若干悔しいですが、
楽しんでいただけていたら、嬉しいです!

これを機に、
もっとミロックに興味を持ってくださる方が増え、
盛り上がっていけたらすごくうれしいです!

また機会を見つけて他のブランドにも突撃できたらと
思います(^^)

それではまた!!


milok

古口悠(こぐちはるか)
1990年10月20日、栃木県宇都宮市で誕生。
東京理科大学を卒業し、大手セレクトショップにてバイイング、
店舗管理を務めたのち、
[Milok]へ入社。現在は同社代表に就任、
デザインチームの統括として指揮する。
休日は仲間とフットサルで汗を流す。


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